図書館に監視カメラを設置しなければならない社会を嘆いてみた
今どき、監視カメラはどこにでもある。
人の集まるところにはたいていカメラが設置してある。ダミーかどうかはさておいて、コンビニや駅はもちろんのこと、学校、スーパー、タクシーの車内にいたるまで様々な場所で監視カメラを目にする。
別にやめろと言うつもりはないが、こと図書館の監視カメラに関しては、なんとも言えない気持ちになる。だって無料で借りることができるのに、盗んだり破ったり切り取ったり、そういう心ない行為をする人間がたくさんいるってことだから。
断っておくと、防犯のために監視カメラを設置することを批判する意図はまったくない。
ただ、図書館で誰がどんな本を借りたかという情報はプライバシーにかかわるものだ。思想と良心の自由を担保する上で、保護されるべき個人情報だ。
べつにどんな本読んだって思想警察に逮捕されるわけじゃないけれども、図書館に監視カメラを設置することが当たり前であってはならないと思う。
つまるところ私は、図書館に監視カメラが設置されている状況が当たり前のように受け入れられていることに違和感を覚えているだけだ。
何も考えず当たり前にとらえてしまうことと、必要だからやむを得ず認めているのとでは、全く意味が違う。
監視カメラの録画映像がしっかり管理されていればそれでいいのかもしれない。防犯上仕方のないことかもしれない。でもせめて図書館くらいは、この監視カメラ社会というパノプティコンの外にあったらいいなとは思う。